5枚袖で動きやすいジャケット 繊研新聞 2015.10.29
紳士服メーカーのサンエース(岐阜市)は16年春夏から、ポリウレタン糸を使わずにパターンだけで腕を動きやすくした「オムニ・ディレクショナル・スリーブ」(実用新案申請中)のジャケットやブルゾンを販売する。
通常のジャケットの腕のパターンは袖の位置が腕を下ろした状態に設定してある。パターンにゆとりをもたせたり、いせ込みなどの技術を使うことである程度の運動量を確保している。オムニ・ディレクショナル・スリーブは、腕を動かしたときに負荷のかかる主な位置を5か所設定。それぞれの位置に適した方向に、袖パーツを五つに分けた。その後、生産効率を高めるために、3枚袖、さらに2枚袖にして縫製している。
腕を比較的自由に上げたり曲げたりできる。ポリウレタンは、経年劣化で繊維が切れて生地が傷むことが多いとして使っていない。価格は5万~10万円。
縫製難度が高いことから、関連会社のサンワークで縫製する。ロットは100枚から対応する。デザイナーブランドへのOEM(相手先ブランドによる生産)・ODM(相手先ブランドによる設計・生産)販売を見込む。