Twisted Lapel
ラペル(下襟)の柔らかな厚みのあるロールが、上着の高級感を決めると言っても過言ではありません。今までは、保形性とボリューム感のあるラペルを作り出すには、毛芯を使った高度な技術を必要とする毛芯仕様がベースとなっていました。ヨコの張りを作り出すために緯糸に馬の毛を使った本バス芯を使ったり、殺し込みや伸ばしというアイロン操作で身頃や見返しを立体成形したり、高度なイセ込み縫製技術によって着易さや立体感を作ったり、ハの字を書いて縫い付けていくハ刺しという毛芯独特の高度な技法で、内付属と内仕様という外観からは見えにくい部分に、お金と時間をかけなければ、上着の丸美・立体感・ボリューム・保形性を作ることは難しいと言われています。
このツィステッドラペルは、身頃と見返しの大きさを変えて、縫い合わせをヘムではなく、裏側や表側にずらし、襟の返り止まりで、縫合線が表から裏、裏から表にツィストされることで、反発が生まれ、ラペルロールにボリュームを作り出しています。
これによって、毛芯仕様に不向きと言われているニット素材や伸度のない綿素材、合成繊維、薄い素材など、幅広く毛芯仕様のようなボリュームのあるラペルロールを生み出す事ができます。
また、通常のテーラー襟だけでなく、カジュアルやスポーツデザインの襟にも使用が可能で、素材やデザインテイストにあまり囚われることなく、かなりの広がりが今後期待できる。