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2019.2.19 繊研新聞に掲載されました

2019/02/19

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実用新案技術に支持 自社工場が物作り支える

 デザイナーブランドや百貨店ブランドのODM主力のサンエース(岐阜市)の業績が堅調だ。19年1月期は前期比10%の増収だった。サンエースが持つ提案力に子会社の縫製企業、サンワーク(岐阜市)が持つ高度な物作りがうまくかみ合っている。

 

 好調を支えるのが実用新案に基づいた提案力だ。自転車に乗るときの動きを考慮したパンツやストレッチ生地を使わなくても腕を上げやすい構造のジャケットなど独自開発した実用新案技術は10を超える。昨年末には管理職女性に特化した多機能高級セットアップスーツ企画を打ち出すなど、日々新しい実用新案の案件を模索する。そういったアイデアをもとに5人の営業担当が取引先ブランドのデザイナーと商談をしていく。

 

「物ではなく、(実用新案に基づいた)”コト”を売る商談」

 他のアパレルメーカーと差別化して成長してきた。現在では海外コレクションで活躍する国内デザイナーブランドとの取引も増え、日常的に問い合わせも多い。こうした取り組みが奏功し、「ここ5期ほど連続増収となっている」と話す。

 

 サンエースに入ったオーダーの多くはサンワークが縫製する。サンワークは高度な物作りを維持していくために、12年5月、他社から受け継ぐ形で子会社化した縫製工場。パーツが多かったり、パターンが複雑だったりと国内の他工場が受けないような縫製難度が高いオーダーに特化している。

 

 現在、縫製・裁断・パターン作製・検品などで日本人が15人、中国人技能実習生が8人働いている。縫製工員はジャケットを1人で丸縫いできる技術者が多い。ロットは100~200枚から。サンワークは子会社化して以来好調で、前期(18年11月期)も20%の増収だった。

 

 日本人技術者育成にも力を入れる。一昨年から岐阜県既製服縫製工業組合主催の日本人縫製技術者育成講座に参加。また、婦人子供既製服縫製作業の技能検定2級にも若手が受験し合格した。

 

 3年前から新卒採用もスタート。今年4月にも2人の新卒者が入社する予定だ。同時に今年1月には最新の本縫いミシンを数台導入するなど設備も整えている。

 「個性が求められる時代だからこそ、感動してもらえる商品を提供することが大切になっている」と強調する。

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